
先日、私は東京ビッグサイトで開催された「博物ふぇすてぃばる!」へ遊びに行ってきました。今回は、博物ふぇすで出会った、カタツムリの編み物作家さんとのお話を紹介します😊
博物ふぇすとは

「博物ふぇすてぃばる!」(以下、博物ふぇす)は、自然科学や歴史、鉱物、生き物などをテーマにした国内最大級の創作・展示イベントです。研究者やクリエイターが集まり、学術とエンターテインメントを融合させた作品や展示が並びます。

私は普段、カタツムリをテーマにブログやSNSを発信し、ZINEやアート作品を制作しています。そのため以前から気になっていたイベントでしたが、実際に足を運んでみると、会場は想像以上の熱気に包まれていました。
どのブースからも、作家さんたちの「好き」が伝わってきます。

野菜についてきた二匹のカタツムリ

今回の博物ふぇすで、とても可愛らしいカタツムリの編み物作品を制作されている作家さんと出会いました。
作品を眺めながらお話を伺うと、
「農協で買った野菜に二匹のカタツムリがついていて、それがきっかけで飼育を始めたんです。」
という、素敵なエピソードを聞かせてくださいました。
ブースには、おそらくウスカワマイマイと思われるカタツムリの飼育記録も展示されていました。
ところが、そのあとに続いた一言に私は少し驚きました。
「今は一匹だけなんです。もう一匹は共食いされてしまって……。」
カタツムリは、本当に共食いをするのでしょうか🤔
そんな疑問よりも、可愛らしいカタツムリの作品に心を奪われてしまい
作品をお迎えする事にしました😊
私も昔は「共食い」だと思っていました
実は、私もカタツムリを飼い始めた頃、同じことを考えた経験があります。
ある日、飼育ケースを見ると、一匹いません。
「共食いされたのかな。」
「そういえば、仲間同士で殻をかじっている光景を見たな🤔」
など、飼育を始めたばかりの頃、そう思いました。
しかし、翌日になると木の枝の裏から出てきたり、レタスの裏に張り付いていたり……。
飼育を続けるうちに、「一匹いなくなった=共食い」と考えるのは早計かもしれないと思うようになりました。
カタツムリがいなくなる理由

これまでの経験では、カタツムリが見当たらなくなる原因として、次のようなことが考えられます。
- 古いレタスや野菜に付いたまま処分してしまう
- 木の枝や卵の殻、落ち葉の裏などに隠れている
- 飼育ケースのわずかな隙間から脱走してしまう
実際に、「いなくなった」と思っていた個体が、数日後に思いも寄らない場所から姿を現したことは何度もあります。
そのため、私は現在では、まず「共食い」を疑うのではなく、「自分が見落としていないだろうか」と考えるようになりました。
それでも、仲間の殻をかじることはあります
一方で、私が長年の飼育で何度も観察している行動があります。
それは、他のカタツムリの殻をかじることです。
カタツムリは殻を作るために大量のカルシウムを必要とします。
そのため、カルシウムが不足すると、他の個体の殻や空き殻をかじることがあります。
私の飼育ケースでは、
- 卵の殻
- イカの甲(甲羅状の部分)
- 石灰質の素材
などを常に入れ、カルシウム源を補給しています。
こうした工夫をすると、殻をかじる行動はかなり少なくなります。
「共食い」と一言で言っても、実はいろいろあります
今回、この出来事をきっかけに改めて調べてみると、カタツムリやその仲間であるナメクジは、植物だけを食べるわけではありません。
ナメクジは雑食性で、植物のほか、キノコや動物の死骸も利用します。研究室で多数のナメクジを飼育している福岡女子大学の松尾亮太先生は、弱った個体が他の個体に食べられる様子も観察されています。
【参考資料】ナメクジくんにも、悩みはあるのさ。

また、カタツムリの仲間には、他のカタツムリを捕食する肉食種も知られています。
つまり、「仲間を食べる」という現象そのものは、軟体動物の世界では決して珍しいものではありません。
【参考資料】ヤマヒタチオビ・Wikipediaより ※肉食性のカタツムリとして知られています。

しかし、それだけで「一般的なカタツムリは共食いする」と結論づけることもできません。
卵を食べる行動、死骸を利用する行動、殻をかじる行動、弱った個体を利用する行動――これらは一括して「共食い」と呼ばれることもありますが、生態学的には少しずつ意味が異なる現象です。
私が心がけていること
そのため、私が飼育するときに気を付けていることは、「共食いを防ぐ」ことよりも、「共食いが起こりにくい環境を整える」ことです。
例えば、
- 古い野菜や小枝は、すぐに捨てず水で流して確認する
- 排水口や周囲に脱走した個体がいないか確認する
- カルシウム源を十分に用意する
- 大人と幼貝は別のケースで飼育する
- 孵化したばかりの幼貝は早めに別ケースへ移す
こうした小さな工夫だけでも、「あれ、一匹いない……」という出来事はかなり少なくなりました。

もし、一匹いなくなったら
博物ふぇすでの何気ない会話から、「カタツムリは本当に共食いするのだろうか」という疑問が生まれました。
文献を調べ、自分の飼育記録を振り返ってみると、答えは思っていたほど単純ではありません。
殻をかじることもあります。
卵を食べることもあります。
条件によっては、弱った仲間を利用することもあるかもしれません。
しかし、「一匹いなくなった」という出来事だけで、すぐに共食いだったと結論づけることもできません。
自然観察の面白さは、「そうだったに違いない」と決めつけることではなく、「他にどんな可能性があるのだろう」と考え続けることにあります。
博物ふぇすは、作品を買うだけでなく、新しい疑問を持ち帰ることのできる場所でもありました。

もし皆さんも、カタツムリの飼育で工夫していることや、不思議な行動を観察した経験がありましたら、ぜひコメントで教えてください。私も、これからもカタツムリたちをじっくり観察しながら、新しい発見があれば「こつむ日記」でご紹介していきたいと思います😊
ぷかまる 第十九話「博物ふぇすで浮いたカタツムリ」


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