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【保存版】カタツムリと鉱物の意外な関係🤔「石ころという名の、石はない」

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先日、山梨県の山間部を訪れて、現地の堆積岩などの調査を個人的に行ってきました。今回は、山梨県丹波山村の丹波渓谷で調べた、様々な鉱物をご紹介します🪨

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カタツムリと鉱物との関係

山梨県〜埼玉県にまたがる山間部は、「ヤグラギセル」や「チチブギセル」という珍しいキセルガイが生息する場所です。また、陸産貝類の生息域は、その地域に広がる鉱物(石灰岩など)との関連があると言われています。

埼玉県立自然博物館より引用:チチブギセル

通常、陸産貝類は、低山を中心に、標高が低い地域に生息していますが、標高 1,600m 以上になると、陸産貝類が分布することは稀です。そして、「ヤグラギセル」や「チチブギセル」は、標高が高いところに生息する、珍しい陸産貝類として知られています。

【参考資料】

埼玉県レッドデータブック動物編2018(第4版)軟体動物

埼玉県レッドデータブック動物編2018
埼玉県レッドデータブック動物編2018

今回の調査の目的

丹波渓谷での鉱物の調査は、来年の陸産貝類のフィールドワークに向けた基礎調査として行いました。鉱物の分布と、陸産貝類の生息地域は、密接な関係がある事が知られています。そして、鉱物の種類を調べる事により、より多くの陸産貝類が生息する地域を把握したいと考えたのが、今回の調査の目的です。

なお、本ブログでは、今年の6月に東京都の秋川渓谷を訪れて、多くのキセルガイを観察しました。来年は、同様の活動を、山梨県丹波山村で行いたいと考えています。

秋川渓谷付近に生息するキセルガイを取り上げています。

山梨県の地形・地質について

今から 2,000 万年前頃、アジア大陸から日本列島が離れる動きがあり、さらに北上するフィリピン海プレートや太平洋プレートの水平移動などによって、山梨県周辺は激しい衝突及び圧縮の場にさらされていた時代があります。

また、山梨県は太古から水害(洪水)が多い地域で、その地形は何度も激しい水流にさらされ、様々な時代の水流と堆積物(土、塵含む)などの作用により、様々な堆積岩が形成されています。そして、丹波渓谷の河原にも、様々な鉱物があちらこちらに散らばってます。

春の山梨県丹波山村の丹波渓谷

山梨県丹波山村の標高

山梨県丹波山村の標高は、村域にある秩父山地の山では飛竜山(大洞山)の2,077 m、大菩薩連嶺の山では大菩薩嶺の2,057 mが最高地点で、最低地点は東端の鴨沢地区で535 mです。

例えば、東京都八王子市の高尾山は、山頂の標高599mです。東京都八王子市と比較した場合に、山梨県丹波山村は、とても地域全体が標高が高い場所に位置している事が分かります。

AIによる鉱物調査

これまで、自然の鉱物の調査は、地質学的な知識を必要とする専門的なものでした。また、日本の場合は、自然公園エリア河川の石は、持ち帰ると違法行為になります。

しかし!2023年はAIの進化により、誰でも簡単に、鉱物を持ち帰る事なく、

スマホで調査が出来る、神アプリが登場しました。\(歓喜)/

今回は、そのスマホのアプリ「Rock Identifier」を使って様々な鉱物を調べました。

‎Rock Identifier: 石の鉱物識別
‎岩石の識別はRock Identifierでこんなに簡単になりました。岩石を撮影するか写真をアップロードすれば、数秒で正確な判定結果が得られます。身の回りの地質について調べて、学んで、記録をつけましょう! 主な特長: ・AIによる無制限の...

以下の解説では、今回撮影した鉱物を9種取り上げています。なお、各見出しの下の画像は、ブログ筆者が撮影したものです。メモには、「河川敷にて採取」とありますが、採取したのは画像のみです。

また、それそれ画像の下には、今回使用したアプリ「Rock Identifier」の解説画像も掲載しています。

代表的な堆積岩

代表的な堆積岩:画像は筆者により撮影

堆積岩は、既存の岩石が風化・侵食されてできた礫・砂・泥、また火山灰や生物遺骸などの粒(堆積物)が、海底・湖底などの水底または地表に堆積し、続成作用を受けて固まった岩石です。 堆積岩は、地球の陸の大部分を覆い、地層をなしています。また、地質学において、堆積岩は、過去の地球環境や生物の歴史を解明する重要な手がかりとなります。

代表的な堆積岩:画像・解説はAIアプリ「Rock Identifier」

なお、山梨県丹波山村がある、奥多摩から秩父にまたがる地域の河川は多摩川上流圏域と呼ばれ、水が豊富な地域です。

【参考資料】東京都建設局

多摩川上流圏域
多摩川上流圏域

今回の調査でも、そのような河川の水流によって形成された砂岩が、多く見受けられました。また丹波山村の隣り町の奥多摩町は、豊富な石灰岩の産地としても知られる地域ですが、丹波山村の河原でも多くの石灰岩を見る事が出来ました。

頁岩や玄武岩など

頁岩や玄武岩など:画像は筆者により撮影

頁岩とは、水中に堆積した泥が元になっており、古代生物の化石が含まれている場合が多い鉱物です。また本のページ(頁)のように、薄い層で形成されており、古代生物の化石を、まるで本に閉じられた「押し花」のように見る事が出来ます。また、カンブリア紀などの古代生物が見つかる地層は頁岩層で、世界的に有名な場所は、カナダのバージェス山にあるバージェス頁岩です。

頁岩や玄武岩など:画像・解説はAIアプリ「Rock Identifier」

玄武岩は、地球上で最も一般的な火山岩の一種で、暗灰色から黒色の緻密な岩石です。また、閃緑岩は、深成岩の一種です。地球の大陸地殻の約10%を占めており、山岳地帯や高原地帯に広く分布しています。なお、日本では、主に墓石に使用される事が多い鉱物です。

変種、または化石化による鉱物

変種、または化石化にる鉱物:画像は筆者により撮影

ブラックカルセドニーは、石英が密集した鉱物の変種で黒い色が特徴です。その色は、石英の中に含まれる鉄やマンガンなどの不純物によって生じます。ブラックカルセドニーの色は、濃いものから薄いものまでさまざまです。古くから宝石として利用された鉱物として知られるパワーストーンです。

変種、または化石化にる鉱物:画像・解説はAIアプリ「Rock Identifier」

蛇紋岩は上部マントルを構成するかんらん岩が水の影響により変質してできた岩石で、構造運動の影響から、割れ目が発達し、破砕していることが多く、膨潤性粘土鉱物を含むこともあります。粘土質のためにもろく崩れやすく、雨の日など岩が濡れているところは滑りやすいので、注意が必要です。

また、珪化木は、樹木に珪酸分がしみこんで硬くなり地層中などに残されたものです。日本国内では主に中生代後期から新生代にかけてのものが各地で見られます。

まとめ

今回、調査した地域は秩父帯と四万十帯と呼ばれる中生代の古い地層からなります。中生代とは、地質学的には今から約2億4500万年~ 6500万年前の約2億年間を指します。約2億4500万年前というのは、恐竜が生息したジュラ紀がこの時代に当たります。

約2億4500万年前は恐竜の時代です。

そして今回の調査から、山梨県丹波山村は、古代の洪水の影響から様々な鉱物が地表に露出している事が分かりました。

このような、地域の特徴的な自然環境は、もしかしたら、生物の生存環境にも影響を与え、「ヤグラギセル」や「チチブギセル」という珍しいキセルガイが生息する要因となっているのかも知れないと、調査を終えて考えたのでした。

ちなみに、昨今のAIの発展には本当に驚いています。もしかしたら、カタツムリの種類が、簡単にAIアプリで分かる日も近いのではと期待しています😊

※なお、鉱物の画像の撮影は筆者によるものですが、鉱物の種類の判別には、AIアプリを使用していますので、ご注意ください⚠️

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