日常の喧騒から少し離れて、カタツムリの歩みを眺めていると、ふと不思議に思うことがあります。「彼らの目には、この世界がどう映っているのだろう?」と。
実は私がカタツムリに興味を持ったきっかけは、少し意外なところにあります。
仕事で統計やデータ分析を扱っていることもあり、以前からAI(人工知能)の小さなコミュニティに参加していました。その勉強会のネタを探していたとき、偶然出会ったのが、生物学者ユクスキュルが提唱した「環世界(かんせかい)」という概念です。
興味をそそられて手にとったのが、岩波文庫の『生物から見た世界』。 ページ数は薄めの一冊ですが、そこに広がっていたのは、これまでの常識を覆すほど「分厚く深い」哲学的な世界でした😂
本の中では、マダニやウニなど、さまざまな生き物たちが独自の感覚で生きる世界が描かれています。「人間が見ている世界だけが、すべてじゃないんだぞ😤」と教えてくれるような名著です。
そしてこの本の「知覚時間」という章に、今回の主役であるカタツムリが登場します。彼らが生きる、人間とはまったく違う「時間軸」のお話を、少し覗いてみませんか?

ユクスキュルが本の中で語るエッセンスを、少し噛み砕いてご紹介します。
私たち人間の感覚器官には限界があり、実は「18分の1秒」より短い時間をバラバラの出来事として認識することができません。
これがどういうことか、少し想像してみてください。 今、あなたの隣にいる人のほっぺたを、1秒間に1回「ツン」と突いたとします。相手は当然、「1回突かれたな」と分かりますよね。
では、頑張ってスピードを上げて、1秒間に2回、3回と増やしていくとどうでしょう? 相手もまだ「トントン」と回数を数えられるはずです。
ここからは人間業ではありませんが、もし1秒間の突きを5回、10回……と極限まで増やし、ついに「1秒間に18回」を超えたとしたら、相手はどう感じるでしょうか?
実は、人間は「止まっている棒」に突かれたと認識するのです。

ここで🐌の登場です!カタツムリの前に、小さい棒を突き出してみましょう。ちょっと、待っていると、カタツムリは、「みよーん」と伸びて、棒に移動してきます。次に、1秒間に1回、棒をカタツムリの方に「ツン」と突いてみましょう。カタツムリは、棒に移動せず、おそらく殻の中に、収まってしまいます。しかし、なんと、カタツムリは、棒で突くのを、1秒間に4回にすると、棒に移動してくるそうです。
これが、知覚時間上のカタツムリと人間の違いです🐌
「なんか、カタツムリって、凄いな」って、思った私でした😉
そして、この頃はまだ、自分がカタツムリを飼育するなどとは、思ってもいませんでした。
ただ、「何でうちの庭には、こんなにカタツムリが多いのだろう」と暫く、庭をただ眺める日々が続いていたのです。


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