
「1分で1メートル進むカタツムリは、6分間で最大何メートル進めるか?」 これはGoogleやMicrosoftの採用試験でも語られる有名な論理パズルです。しかし、この問いの真の価値は「正解の数字」にはありません。 実はこの問題、前提の置き方次第で「6m」「10m」「11m」と答えが分かれるのです。 今回は、この「カタツムリの作戦」に求めるべき真の答えを考察します。
「カタツムリの作戦」の問題
1匹のカタツムリが、まっすぐ進んでいる。
その姿を、つねに少なくとも1人が見ているようにして、真横から何人かで観察した。
それぞれ1分ずつ観察したところ、カタツムリは誰が見ていた1分間においてもちょうど1メートル進んだ。では、このカタツムリが6分間で進める距離は最長で何メートル?
なお、カタツムリの速度は一定とは限らない。
これは、Google、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験で論理的思考を試す問題です。しかし、この問題は、実は論理的な考察の正しさでは、レベル別に3つの答えがあります。
【参考資料】「えげつないほど頭のいい人」だけが正解できる思考ゲーム『カタツムリの作戦』とは?

【出典】もっと!! 頭のいい人だけが解ける論理的思考問題:野村 裕之 著

1つの問い、3つの真実
なぜ答えが分かれるのかを整理します。
- 「6メートルの世界」: カタツムリは一定の速度で動くという物理的・常識的な視点。
- 「10メートルの世界」: 観察者の重複というルールの隙間を突く戦略的・パズル的な視点。
- 「11メートルの世界」: 瞬間移動や境界値を極限まで追求する数学的・抽象的な視点。
ポイント: すべての回答は、それぞれの「前提」の上では正解です。
| 視点(触っている場所) | 前提条件(解釈) | 導き出される答え |
| 物理・現実の視点 | カタツムリには一定の質量があり、移動には時間がかかる。 | 6メートル(またはそれに近い値) |
| 論理パズルの視点 | 「観察者の重なり」というルールの隙間を突く。 | 10メートル(ダイヤモンド誌の回答) |
| 数学的極限の視点 | 移動を「点(瞬時)」とし、境界値を極限まで攻める。 | 11メートル(私の最初の回答) |
「群盲象を評す」:私たちは「象の一部」しか見ていない

インドの寓話に「群盲象を評す」という話があります。象の鼻を触った者は「蛇だ」と言い、足を触った者は「柱だ」と言い張る話です。
この「カタツムリの作戦」は、見方が変われば、カタツムリの進む距離が異なるという点で、「群盲象を評す」の比喩に、とても良く似ています。
私たちの思考とは
カタツムリの歩みは、私たちの思考の歩みそのものです。 「答えは一つ」という思い込みを捨て、目の前の問題が「どの象の部位」なのかを問い直すこと。私は、 その柔軟性こそが、今回の「カタツムリの作戦」の問題で気がつくべき、本当の問題のような気がします。
今回の「カタツムリの作戦」を可視化する、WebアプリをAIツールのClaudeで作成しました。ぜひ、試してみてくださいね。
【カタツムリの問題分析ツール】AI版「群盲象を評す」
※6メートル、10メートル、11メートルをカタツムリの歩みを可視化するツールです🐌


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