
先日、だいぶ前のSNS(当時Twitter)のコメントで音楽プロデューサーのつんく♂さんが、カタツムリの冬眠についてコメントされているのを拝見しました。そこで今回は、さまざまな諸説がある「カタツムリの休眠と長生きの関係」について考察します🐌
音楽プロデューサーのつんく♂さんのコメント

「カタツムリを冬眠させずにずっと育ててたら寿命が短くなるのかな?子供電話相談室に電話して聞きたいわ。」午前9:42 · 2014年1月19日
なぜ「鶴は千年、亀は万年」?

「生物の寿命の影響」を及ぼすものには諸説あります。ただ、日本では古来から「鶴は千年、亀は万年」という慣用句があります。しかし、なぜ「亀は鶴より長生きする」と言われているのでしょうか🤔
そこには「寿命と代謝エネルギーの関係」があると言われています。代謝エネルギーは、心拍数や呼吸の速さと関係があり、一般に代謝が低い生物ほど長生きする傾向があります💓
鳥と爬虫類では、その大きさによって心拍数は異なりますが、例えばダチョウの心拍数は30~60回/分と言われています。また、人間の場合は60〜80回です。そして亀は約10回/分だと言われています。つまり、亀の代謝エネルギーは、鶴よりかなり少ないのです。これが「亀は鶴より長生きする」理由の一つと考えられています。
カタツムリの心拍数
カタツムリの心拍数を調べるために、わが家のカタツムリを夏に撮影した動画を使って心拍数を数えてみると、心拍数は1分間に約50回/分でした。
また、冬眠中のカタツムリを観察すると、心拍数は数えることができないほど遅い状態でした。ただ、この心拍数の低下は代謝エネルギーに影響を及ぼすため、結果的に寿命が長くなるのではないかと私は推測しています。
なお地中海沿岸乾燥地帯に生息するカタツムリは、英国の大英博物館で「砂漠のカタツムリ」として1846年3月に保管を始め、4年後に動き出したという逸話もあります。

このような理由から、カタツムリは、休眠をすることで、その寿命を伸ばしている可能性があると、ブログ筆者は考えています🤔
高知大学の「カタツムリの休眠に関する研究」
カタツムリの生態については、長年様々な研究者の方がその生態について研究をされています。高知大学では、昭和47年に「カタツムリの休眠に関する研究」を行いました。その研究の目的は「カタツムリの休眠中の物質代謝をしらべ,これと生体水分保持との関連性を明らかにするため」とレポートに記されています👨🎓
高知大学の研究によると、カタツムリは季節によって体内の栄養素のバランスを変えて生存しています。特に、冬と夏に糖質を消費することが分かっています。
- 夏:蛋白質やその他、脂肪は増加し、糖質は減少する。
- 秋:蛋白質やその他、脂肪は減少し、糖質は増加する。
- 冬:蛋白質やその他、糖質が減少し、脂肪はあまり減少しない。
- 春:蛋白質やその他、脂肪は増加し、糖質は減少する。
カタツムリは、自然の状態では夏と冬に、糖質が減少するようです。つまり、カタツムリは代謝を調整することで、過酷な環境でも長生きする可能性があると考えられます😊
【参考資料】高知大学学術情報リポジトリ
https://kochi.repo.nii.ac.jp/record/4016/files/N021-12.pdf
The rate of living theoryとは

今回の私の考察は、1908年に Rubnerが最初に提唱した「The rate of living theory」を前提にしています。The rate of living theoryとは、以下の内容がポイントとなっています。
- 生物は一定の資源 をもっており、それを使い切ったときに寿命を迎える。
- 代謝が早い生物ほど寿命が短い。
【参考資料】The rate of living theory/Wikipedia(英語)

ただし、寿命は 代謝だけで決まるわけではありません。遺伝や環境、捕食者の有無など、さまざまな要因が影響します😌
例えば、同じ代謝の動物でも、捕食されやすい種は短命になりがちです。カタツムリの寿命も、休眠だけでなく環境や外敵からの影響も大きいと考えられます🤔
今回の考察は、音楽プロデューサーのつんく♂さんのような疑問を持たれた方に向けて、様々な専門家の研究を踏まえて、個人的な見解を含めてご紹介しました😊 今回の記事が、冬眠中のカタツムリについて疑問を持たれた方のお役に立てれば幸いです🐌

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