大人が満足!アフリカクロトキのミイラから発見されたカタツムリを徹底考察🎓

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私は、自分のZINE作品のネタを探すため、古代文明の歴史や文学をよく読んでいます。今回は、古代エジプト文明とカタツムリの関係について、ご紹介したいと思います🐌🇪🇬

アフリカクロトキのミイラから発見されたカタツムリ

少し古い記事ですが、2012年にナショナルジオグラフィックは、イェール大学の研究チームによる、エジプトの古代遺跡アビドスから発掘された鳥のミイラについて報じています。

胃にカタツムリも、エジプトの鳥ミイラ
エジプトの古代遺跡アビドスから発掘された鳥のミイラ。アフリカクロトキの成体で、生贄として神に捧げられたと考えられている。体内にはカタツムリの殻が確認されており、死後のエサとして意図的に詰められたようだ。このミイラは現在アメリカのイェール大学…

ミイラ化されていたのは、アフリカクロトキという、現在のエジプトでは絶滅してしまった鳥です。

現在では、サハラ砂漠以南のアフリカ大陸やマダガスカル島、イラク南西部などに分布しています。

しかし、古代エジプト人にとって、この鳥は単なる鳥ではありませんでした。

アフリカクロトキは、知恵や書記、学芸を司る神、トート神の化身と考えられていた神聖な存在です。

Wikipediaより画像引用

古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの記録によれば、この鳥を殺した者は死罪になるほど、大切に扱われていたとされています。

そして今回の記事では、そのアフリカクロトキの体内から、「カタツムリや魚、小型脊椎動物、穀物などが確認された」と報じられていました。

研究チームによると、ミイラ化の際に胃や内容物は取り除かれ、その代わりに、これらの“生き物”が食べ物として、丁寧に詰め込まれていた可能性があるそうです。

カタツムリは鳥によって旅する

私は、このような太古の文明や宗教観の中にこそ、現代人が学ぶべき「生き物との関係」が残されているように感じます。

アフリカクロトキの食性は、主に昆虫、甲殻類、両生類、小型爬虫類などを食べる幅広い肉食性(動物食)です。

おそらく、アフリカクロトキは自然界において、カタツムリなども捕まえて食べていたのでしょう。

そして古代エジプト人は、自然への畏敬の念を抱きながら、その鳥の姿を静かに観察していたのではないでしょうか。

現代でも、鳥がカタツムリを食べる姿はよく見られます。

また、カタツムリは鳥の消化器官を通過しても、生きたまま排泄される場合があります。

これは、カタツムリが様々な場所へ広がっていった理由の一つとも考えられています。

つまりカタツムリは、「鳥の身体の中を旅する生き物」でもあるのです。

【参考資料】鳥に食べられても生き延びるノミガイ

鳥に食べられても生き延びるノミガイ
小型のカタツムリの中には、鳥に食べられても生き延びるものがあることが、最新の研究で判明した。ノミガイと呼ばれる小さな陸貝は、身体機能に全く影響を受けることなく、鳥の体外に排泄されるという。

自然は様々な場所に広がっていく、豊穣の神オシリスとの関係

ナイル川の自然、それは神の恵

自然の生き物たちは、人の手を借りずとも、様々な場所へ広がり、大地に豊かな恵みをもたらします。

その豊かな自然の循環を基盤として育まれたのが、ナイル川流域の古代エジプト文明でした。

古代エジプト人は、その命の巡りや、自然の恵みがエジプト全土へ広がっていく様子に、神々の力を重ねて見ていたのかもしれません。

そして彼らは、夜空に輝く星々の中に、豊穣と再生の神、オシリスの姿を見出しました。

オシリスは、古代エジプト神話の中でも特に重要な神です。

神話によれば、オシリスは弟のセトによって身体を切り刻まれ、エジプト各地へバラバラに撒かれてしまいます。

しかし、妻であるイシスは、失われた身体の一部を探して各地を巡り、ミイラ作りの神アヌビスの助けを借りながら、その身体をつなぎ合わせました。

そしてオシリスは、人類初のミイラとして復活したと伝えられています。

バラバラに散らばりながらも、再び一つとなり、豊穣と再生をもたらす存在。

それが、オシリスという神の象徴でした。

私は今回紹介している、アフリカクロトキのミイラと、その内部に納められたカタツムリにも、どこかこの神話と共通する感覚を覚えます。

鳥によって運ばれ、各地へ散らばっていく小さな生命。

そして、神の化身とされた鳥の身体の中へ納められたカタツムリ。

それは単なる供物ではなく、古代エジプト人が見ていた「生命の循環」や「再生の物語」を、現代へ伝える小さな遺物なのかもしれません。

アフリカクロトキのその後

なぜ、エジプトからアフリカクロトキは姿を消したのか🤔

現在のエジプトでは、アフリカクロトキは絶滅しています。

かつて古代エジプト人が神聖な存在として崇めたこの鳥は、時代が進むにつれ、信仰の象徴として大量のミイラが作られるようになりました。

さらに、エジプトでは乾燥化や砂漠化が進み、自然環境も大きく変化していきます。

豊かな恵みをもたらしていたナイル川流域も、人間による灌漑設備の整備などによって、少しずつ姿を変えていきました。

ナイル川は、人間の活動に伴う気候変動や汚染、開発の影響で、危機に直面している

そうした人間の営みと自然環境の変化の積み重ねの中で、アフリカクロトキは、ついにエジプトの地から姿を消してしまったのです。

そしてまた、かつて栄華を誇った古代エジプト文明も、長い歴史の中で衰退していきました。

今回、ミイラの内部から見つかったカタツムリもまた、自然環境の影響を強く受ける生き物です。

現代を生きる私たちにとって、カタツムリは、「昔はよく見かけたのに、最近は見なくなった」そんな存在になりつつあるのかもしれません。

小さな生き物たちが静かに姿を消していく時、私たちの文明もまた、何か大切なものを失い始めているのかもしれません。

そんな気付きを私に与えてくれたのが、今回の「アフリカクロトキのミイラとカタツムリ」の記事なのでした。

【参考記事】

ナイル川、水量激減の恐れ 気候変動、開発の余波で流域諸国は死活問題に(1)
【1月21日 AFP】古代エジプト王(ファラオ)が永遠の命をもたらす神としてあがめたナイル川(Nile River)。

気になる事

研究チームを率いたアンドリュー・ウェイド氏は、動物、人間を問わず、ミイラ化する際に食べ物を詰めていたケースは、初めて見たと語っているそうです。

確かに、ミイラにするのに、胃を取り除いてカタツムリや魚、穀物などを詰めるというのは、とても不思議です。

【参考資料】カタツムリの殻、エジプトの鳥ミイラ

カタツムリの殻、エジプトの鳥ミイラ
アフリカクロトキのミイラの体内で発見されたカタツムリの殻(CTスキャン画像)。神々の使者として死後の旅へ出発する際に、古代エジプト人が与えた“食事”の一部だという。

それにしても気になるのは、鳥のミイラの中に入っていたカタツムリです。

上部が尖った殻と、巻かれたようなフォルム。

このカタツムリの姿は、どこかオシリス神を連想させるような気がするのです🤔

このカタツムリの形状は、どこかオシリス神と似ているような🤔

ぷかまる 第十話「バス停で浮いたカタツムリ」

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