カタツムリは、日本各地の昔ばなしや伝承に登場する事があります🐌今回は、日本の昔ばなし「カタツムリの息子」をご紹介いたします😊
茶畑にて
昔々あるところに、子供がいない、おじいさんとおばあさんが住んでいました👴👵
そして、子供がいない事が心配で、神さまや仏さまに、子供が授かるようにお願いをしていました🙏
ある日、おばあさんが茶畑でお茶の葉を摘んでいると、「おばあさん、私が子供になりますよ」と声がしました。
そして、声がする方を見ると、そこに可愛らしい、カタツムリがいました🐌
「私が、子供になりますよ🐌」と、カタツムリが言うので、おばあさんは、そのカタツムリを手のひらに乗せて、家に連れて帰りました。
おばあさんは家に戻ると、おじいさんに、カタツムリを見せました。すると、おじいさんは「可愛い😍」と、とても喜びました。
薪を届ける
あくる日、おじいさんは、庄屋さまの家に薪を届ける準備をしていました🪵
おじいさんが、薪を馬の鞍に積んでいると、「おじいさん、私が、薪を届けにいきましょう」と、カタツムリが言いました🐌
「お前には、無理だろう😅」
おじいさんは、カタツムリに言いました。
すると、カタツムリは「私を、藁包に入れて、馬の鞍に付けて下さい」と、おじいさんに言いました。
カタツムリを藁包に入れて、馬の鞍に付けると、カタツムリは、「さぁ、行け!さぁ、行け!」と馬をけしかけました。
庄屋さまの家に到着
カタツムリと馬は、無事に庄屋さまの家に着きました。
庄屋さまが外にでると、「おじいさんの家から、薪をお持ちしました!」という声が聞こえました。
庄屋さまは「何処から、声がするのだろう」と不思議に思っていました🤔
すると、カタツムリは「藁包の中にいます!」と言いました。
庄屋さまが、藁包を開けると、可愛らしいカタツムリが出て来ました🐌
庄屋さまは、「何て、可愛い子なんだ😍」と喜び、家にいた、3人の娘達にカタツムリを見せました👩👱♀️👧
すると、3人の娘達もカタツムリを見ると「可愛い😍」ととても喜びました。
カタツムリの帰宅
庄屋さまの家から、カタツムリが家に帰宅すると、何故か、カタツムリはご飯を食べずに、布団に入ってしまいました。
おじいさんが心配で、カタツムリにご飯を食べない理由を尋ねました。
すると、カタツムリは、「庄屋さまの家の3人の娘のうち、誰かを嫁にしたい🥺」と言いました。
「それは、無理だろう😅」
おじいさんは、カタツムリに言いました。
するとカタツムリは、「頼むだけ、頼んでください。それまで、ご飯は食べません」と布団を被ってしまいました。
カタツムリの婚活
おじいさんは、「娘の一人をカタツムリの嫁に下さい」と庄屋さまに頼みました🙇
今度は、それを聞いた庄屋さまも、ご飯を食べずに寝込んでしまいました。
長女への相談
ある日ご飯を食べずに寝込んだ、お父さんを心配して、一番上の長女が、寝床にやって来ました。
お父さんは、長女にカタツムリの所へ嫁に行ってくれないかと頼みました。すると、長女は「乞食になっても、嫌です!」と断りました👩
次女への相談
次に次女が、お父さんの寝床にやって来ました。
今度は、次女にカタツムリの所へ嫁に行ってくれないかと頼みました。すると、次女は、「紙袋をぶら下げて、食べものを恵んでもらうようになっても、嫌です!」と断りました👱♀️
末の娘への相談
最後に、一番末っ子の娘が、お父さんの寝床にやって来ました。お父さんは、一番末っ子の娘にカタツムリの所に嫁に行ってくれないかと頼みました。
すると、一番末っ子の娘は「お父さんがおっしゃるのでしたら、そうします。ですから、お父さんは布団から出て、ご飯を食べてください」と言い、カタツムリとの結婚を引き受けました👧
それを聞いた、お父さんは、布団から出てご飯を食べると、長女と次女を家から追い出し、末っ子の娘をカタツムリの嫁に出しました。
海辺にて
ある日、カタツムリは、嫁に「海を見に行こう!」とデートに誘いました。
海に着くと、カタツムリは、嫁に「私を、海に投げ込んでくれ」と頼みました。カタツムリの嫁は、「そんな事をしたら、あなたが死んでしまうから、ダメです」と断りました。
するとカタツムリは「大丈夫、紐で繋いで、海に投げたら、引き揚げてくれ」と言いました。
カタツムリの嫁は、言われた通りに、カタツムリを紐で結んで、海に投げ入れて、紐を引っ張りました。
カタツムリの変身
娘が紐を引っ張ると、紐の先には、とても立派な男の人が、内手の小槌を持って上がって来ました。そして、男が小槌を振ると、お金やら、お米が沢山出てきて、二人は大変裕福に暮らしました。
そして、お父さんの家から追い出された、長女と次女は、乞食として暮したそうです😌
【解説】日本の昔ばなしの特徴
日本の民話には独自の特徴があります。以下は、日本の民話の一般的な特徴です。
- 自然との調和: 日本の民話には、自然や動物との調和がよく描かれています。山や森、川などの自然の要素が物語に組み込まれ、主人公が自然界と協力して問題を解決することがあります。
- 人間と妖怪の交流: 妖怪や神秘的な存在が頻繁に登場します。これらの妖怪は時に善意的であり、時には人々に試練を与える存在として描かれます。主人公が妖怪との交流を通じて成長することがよくあります。
- 道徳的な教訓: 日本の民話にはしばしば道徳的な教訓が込められています。物語を通じて、善悪や正義、誠実などの価値観が伝えられ、聴衆に教訓を与えることがあります。
- 異世界への旅: 多くの日本の民話には、主人公が異世界や別の次元に旅する要素が含まれています。これらの冒険は、主人公が成長し、試練を乗り越える機会を提供します。
- 動植物の擬人化: 動物や植物が擬人化され、人間のように感情や思考を持つことがよくあります。これにより、物語がよりファンタスティックで魅力的になります。
- 伝統的な日本の風景: 日本の民話にはしばしば伝統的な日本の風景や文化が描かれています。田園風景、古い町並み、神社や寺院などが物語に登場することがあります。
これらの特徴はあくまで一般的なものであり、地域や時代によって異なる要素も存在します。日本の民話は豊かな文化や伝統を反映しており、様々な教訓や価値観が詰まっています。
島根県に伝わる「カタツムリの息子」
島根県に伝わる「カタツムリの息子」という話は、一般的には「かたつむりのこ」とも呼ばれ、島根県の民話や昔話の一つとして知られています。
この話は、感謝の心や世話をすることの大切さ、そして不思議なご利益をもたらす存在への信仰を伝えるものとされています。島根県などの地域において、地元の伝承として親しまれています。
ちなみに、この「カタツムリの息子」は地方によっては、話の内容が少し変わったり、タニシやカエル、サザエが登場するそうです。
【参考文献】昔話・伝説小事典
民話は、昔は道徳やモラルの醸成に使われた、日本の社会文化です😊今回の話は、きっと「お父さんの言う事は、聞きましょう!」という事なのでしょうね。あと、カタツムリが「子供になりますよ!」と話しかける事があったら、是非、子供にしてあげてくださいね🐌
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