
先日、私のSNSのアカウントにカタツムリを1匹飼育している方から「卵を産みました!」というお問い合わせをいただきました😊そこで、今回は1匹のカタツムリが「なぜ、卵を産み、増えていくのか🤔」について、いろいろ調べた内容をまとめましたので、その内容をご紹介します😃
通常の卵の産み方🥚

例えば、ニワトリにはオスとメスがいます。そして、メスはオスの精子を体内に取り込むと、約1週間ほどで有精卵を産卵します。一方で、カタツムリは雌雄同体の生き物です。交尾では、カタツムリが互いに精子を受け渡し、互いに自分の卵子を受精させます。つまり、オスとメスの区別がある生き物も、オスとメスの区別がない生き物も、通常は2匹の個体間で受精をします😃
1匹のカタツムリから卵は産まれる

軟体動物には雌雄異体のオスとメスの区別のあるものが多く、オスとメスの区別がない雌雄同体の分類群もあります🐌
なお、例えばカタツムリは雌雄同体で、ヤマタニシは雌雄異体の軟体動物です。そして、雌雄同体、雌雄異体に関わらず、軟体動物は「1匹の個体から卵が産れる」という現象が見られる事が分かっています。
単為生殖について

単為生殖とは雌が受精を伴わない卵子を産み、その卵子が発生して個体になる生殖のことを指します。単為生殖には、雌が雌のみを産む産雌単為生殖、雄のみを産む産雄単為生殖と雌雄を産む両性単為生殖があり、また産まれる仔の染色体数によっても半数体単為生殖、二倍体単為生殖とがあります。
【参考文献】
東京薬科大学・生命科学部/単為生殖

【単為生殖】
- 生物(動物や植物)の卵細胞が受精せずに新個体を増殖させる生殖法。
- ミツバチ、アリマキ、ミジンコ、ワムシなどの動物や、ドクダミ、ミヤマコウゾリナ、タンポポなどの植物に見られる。
- 軟体動物では、雌雄異体の巻貝コモチカワツボは単為生殖を行うものがおり、高い繁殖力を持つ。
【参考文献】
国立環境研究所/コモチカワツボ
自家受精について

自家受精は、同時的雌雄同体(体内にオスとメスの生殖器官を同時に持った状態)の個体が、自身の精子と卵を受精させる生殖様式です。
【参考文献】
北海道大学理学部生物科学科・本学科の研究者がエビ・カニ類では世界初となる自家受精する種を発見・公表!

【自家受精】
- 雌雄同体の動植物において、同一個体に生じた雌雄の生殖細胞間で受精すること。
- キセルガイやナメクジなどに発見事例がある。
【参考文献】
有肺類の自家受精(総説)/江村重雄
https://n-seiryo.repo.nii.ac.jp/record/1723/files/09_11_0002.pdf
無性生殖とは

生き物には無性生殖という方法で増えていく生き物がいます。所謂、細胞分裂という増え方です😃代表的な、生き物では、アメーバやヒドラ、ジャガイモがいます🥔
【参考資料】NHK for School

まとめ
今回は、1匹のカタツムリが卵を産み、増えていく生殖活動を踏まえて、様々な生殖様式をまとめました🧐
カタツムリのような雌雄同体の軟体動物は、2匹で受精をする場合と、1匹で受精する自家受精という方法で増えていきます🐌
なお、新潟大学の名誉教授でもある江村重雄教授の論文を読むと、詳しく自家受精について解説されているので、論文「有肺類の自家受精(総説)」をお読みになると良いでしょう😊
ちなみに、クリスマスに食べる七面鳥は単為生殖で卵を産む事があるようです。まさに「処女がみごもる」ですね😃

それゆえ、主はみずから一つのしるしをあなたがたに与えられる。見よ、おとめがみごもって男の子を産む。その名はインマヌエルととなえられる。
イザヤ書 7:14
【参考資料】ブログ筆者作成の「生殖・受精の種類」一覧

※なお、研究者や研究グループにより、単為生殖、自家受精、無性生殖は、やや言葉の使用に曖昧な事があるようです。ただ、いずれにせよ「1個体から卵が産れる」という現象を指していると理解すれば良いでしょう😌

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