
私の家では、毎年いろいろなカタツムリの赤ちゃんが孵化します。今回は「大人と赤ちゃんは一緒に飼育しても大丈夫なのか?」というテーマで、観察をふまえて考察してみます😊
大人と赤ちゃんを一緒に飼育しても大丈夫なのか🤔

数年前、大人と赤ちゃんを同じケースで飼っていたとき、赤ちゃんが大人の口元にくっついていたことがありました。
「殻をかじられるのでは?」と心配になり、それ以来、私は赤ちゃんは別のケース=“インキュベーター”で育てるようにしています。なお、本ブログでも、その内容をオススメする記事を配信しております😊

最近の筆者の観察について
昨年から、ウスカワマイマイやニッポンマイマイ、ミスジマイマイの赤ちゃんを成貝と対面させて観察してみました。すると、大人のカタツムリは赤ちゃんに触れそうになると進路を変えたり触角を引っ込めたりして、まるで避けるような仕草を見せたのです。
カタツムリは赤ちゃんを「認識」しているのか?
カタツムリは嗅覚や触覚がとても敏感で、フェロモンや体液に含まれる化学物質を感じ取ることができます。
赤ちゃんも殻や粘液から「幼体特有の匂い」を放っている可能性があり、大人はそれを検知して「食べ物ではない」と判断したり、「同種の個体」として認識して衝突を避けたのかもしれません。
フレーメン反応との比較
犬や猫は赤ちゃんの匂いを嗅ぐと「フレーメン反応」と呼ばれる仕草を見せます。これはヤコブソン器官という「四肢動物が嗅上皮とは別に持つ嗅覚器官」でフェロモンを感じ取る行動です。
カタツムリには同じ器官はありませんが、触角で化学物質を感知するため、フェロモンに相当する“匂い確認行動” をしていると考えらています。ただし、その動きは微細で、進路変更や触角の動きに表れるのが特徴です。
カタツムリに母性本能はあるのか?
いわゆる、母性本能には「広義」と「狭義」の定義があります。
※Wikipediaを参考にしました。
- 広義:繁殖に関わる行動を引き起こす本能
- 狭義:子を養育するための本能
カタツムリは雌雄同体で、卵を安全な場所に産む行動は広義の「母性本能」と言えるでしょう。ですが、哺乳類のように子を守り育てる狭義の母性本能はありません。
つまり、カタツムリの母性は「子を世話する優しさ」ではなく、「卵の産卵や稚貝の保存を目的」として表れているようなのです。
大人のカタツムリと赤ちゃんの関係のまとめ
今回の考察を仮説として、まとめると以下のような内容になります。
- 大人のカタツムリは赤ちゃんを避けるような行動を示すことがあります。
- これは母性ではなく、化学的なシグナルの識別による反応と考えられるのかもしれません。
- カタツムリの母性本能は「養育」ではなく、「卵」、稚貝」などの種の保存として現れているのかもしれない。
観察していると「赤ちゃんをちゃんと認識しているのかも」と思わせる瞬間があります。科学的には母性とは言えないかもしれませんが、飼育者としてはどうしても「小さな命を気遣う親」のように見えてしまうのです😌
なお、大人のカタツムリと赤ちゃんの大きさを比べた場合に、赤ちゃんの対比は、とても小さいのは、事実です。また、カタツムリは産卵した卵を、全てはありませんが、一部踏みつぶしてしまう事はあります😢
そのような点を考慮に入れると、やはりカタツムリが卵を産んだり、稚貝が孵化した場合は、成貝とは別の飼育ケースを用意して、飼育するのは妥当だと私は考えています😊
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