本ブログでは、以前「カタツムリの鳴き声」をテーマに、明治の俳人、藤野古白の俳句をご紹介しました。今回は、江戸時代の小林一茶の作品からカタツムリが登場する俳句をオリジナルのイラストを交えてご紹介します😊
小林一茶について
小林一茶は、江戸時代後期の俳人です。本名は弥太郎、俳号は一茶です。信濃国柏原(現在の長野県上水内郡信濃町)の農家に生まれました。
一茶は、15歳の時に奉公のために江戸へ出て、やがて俳諧と出会います。その後、俳諧師として活躍し、松尾芭蕉、与謝蕪村と並ぶ江戸時代を代表する俳諧師の一人となりました。
俳風について
俳風は、庶民的な生活や自然を詠んだものが多く、親しみやすいものとなっています。また、日常の些細な出来事や思いを詠んだものも多く、その素朴で温かい作風は、多くの人に愛されています。
一茶の代表的な俳句には、カエルやスズメ、ハエなどの小動物が登場します。また俳句の中に、カタツムリが登場するものは、80句以上作られています🐌
今回は、カタツムリが登場する俳句5選をご紹介いたします😊
芋の葉や露の転るかたつむり
この俳句の季語「芋の葉」と「露」は秋を表します。 秋の涼しい朝、芋畑の葉の上に、 朝露とカタツムリが乗り、その葉の上の露が「すぅーっと」転がるような情景とカタツムリの滑らかな動きが思い浮かびます。
戸を〆てづんづと寝たり蝸牛
自然の中では、カタツムリは生涯を、ほぼ睡眠に充てています。また、睡眠中は、エピフラムという物質で、殻を閉じます。このエピフラムは乾くとセロハン状になり、カタツムリを外界から守るバリアになります🐌💤
笹の葉やなるや小粒のかたつむり
笹の葉には、カタツムリがいる事が多いです。七夕の時期に、「笹の葉を飾っていたら、カタツムリが付いていた🌿」という話も良くあります。
笹の葉のように、植物の葉の鳴る音が「カタツムリが奏でる音」として表現されることは、日本の俳句のみならず、海外にも例があり、ハワイのオワフ島では、”The Voice of the Forest”と言われています😊
朝やけがよろこばしいか蝸牛
我が家では、毎朝7時には、カタツムリに霧吹きで保湿をしています。カタツムリは早朝は、活発で朝日を喜んでいるように見える事があります。
カタツムリの活動が活発になる時間帯は、夜から早朝までなので、もし、野外で梅雨の時期にカタツムリを散策する場合は、雨上がりの、朝の7時くらいがおすすめです😊
蝸牛そろ ~ 登れ富士の山
カタツムリは、意外と高いところまで登る事が出来ます。我が家では、2階のベランダまでカタツムリが登ってくる事があります。
一茶の、カタツムリの富士の山の俳句は海外でも評価が高く、ロシアでは格言として扱われています。ちなみに「そろそろ」は、現代の言葉では「ゆっくり」を表しています。
一茶の人柄
一茶は、生涯に多くの句を残し、その多くは、現在でも広く親しまれています。
一茶は、俳句のみならず、絵画や書道、茶道などにも造詣が深く、多彩な才能を発揮した人物でもありました。また、自然や民衆を愛する心の持ち主であり、その人柄も多くの人々に慕われていました。
そして、一茶のカタツムリの俳句を改めて調べみると、とても細かいところまで、カタツムリの様子を観察していた事が分かりました。
カタツムリは、学ぶべきところが多いので、きっと一茶の興味を引いたのでしょう🤔
ぜひ、一茶の人柄とカタツムリを見習って人生を過ごして行きたいものですね🐌
なお、今回の俳句のイラストはブログ筆者のオリジナルです😎
もし、気に入ったのがあれば、ご自由にダウンロードしていただき、スマホの壁紙などに使ってくださいね😆
※今回のブログ作成にあたり、「一茶の俳句データベース」を使用いたしました。とても素晴らしいデータベースですので、ぜひ小林一茶の俳句に興味がある方は、ご覧になってください。
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